古民家再生物語その3を始めるまえに、
いまでは我が家となった古民家の梁にまつわる面白い話を
以前同じ自治会の方より教えてもらったのでちょっと書きたいと思います。
その昔、河原嶋(うちの古民家の屋号です)には妙齢の美しい娘さんがいて
その美しい娘さんの元へ夜這いする男性がいたそうです。
夜、家の者が寝静まったときを見計らって、
家の太い梁を伝わって娘さんの部屋へ侵入を試みたとのこと。
残念ながら、夜這いは成功したのか否かはわからないようですが、
そんなことがあってから後、河原嶋の太い梁を「夜這い梁」と呼ぶようになったそうです。
この話を聞いてからというものの、
梁を見上げるたびに、この梁の上をゴソゴソとその昔、
美しい女性に会いたいがために夜這ったのかしら?~て想像しちゃいますね!
さて、それでは「古民家再生物語その3-一筋縄ではいかない契約」
始めます~
友人のM夫さんの
「買いやで~」の一言により
この古民家を購入する意思を固めましたが、
梁組みについてはまったく問題は無いですが
古民家の肝心の基礎の部分についてちょっと不安がありました。
といいますのも畳がブヨブヨしていたり、一部妙な盛り上がりをしている所があったからです。
そのため建物の裏へ回り基礎部分を覗いてみることに....
根太で床を支えているような箇所があるわ、
束柱が傾いている箇所はあるわで、
(写真が本当に傾いていてすいません^_^;)
結構いい加減な修繕を繰り返していた様子が見て取れました。
また、建物内でも母屋南側のかつて馬小屋であった所の倉庫の柱などは
地面に接している部分から50cmほどは腐ってしまって
支えになっていないところもありました。
しかしながらこのような箇所はすべて修復することが可能とのこと。
床に関してはどのみちすべて張り替える予定ですし、
柱についても根継ぎという方法で修繕できるとM夫さんより教わり、
納得することができました。
この後、古民家を購入する意思を不動産屋に伝え契約へとなるわけですが、
なかなかどうしてスムースに事は運びませんでした...
この古民家は不動産会が買い取っていた物件でして
「売主=不動産会社」という物件でした。
購入を前提とした仮契約をまず不動産会社と結びますが
本契約までの間に、この物件の土地と建物の登記簿を調べることにしました。
これからの人生を賭けるような買い物ですから、
ここは慎重にも慎重を重ねて、後悔しないようにと。
休暇を取って当時豊丘村にあった物件管轄の法務局へ出向きました。
登記簿には抵当権や差し押さえなどはまったく無く、きれいな状態ではありましたが、
1点だけ土地の登記簿に地目が畑の土地について仮登記になっていたのが気になりました。
これは農地法に絡んでいることなので、「仮登記」という状態は当たり前だったのですが、
その時はそのような知識が無かったため、これは?と思ったわけです。
早速不動産会社へ「仮登記」のことについて電話で問い合わせてみました。
こちら側の話し方が悪かったのかもしれませんが、
不動産会社の社長が電話に出るなり怒り口調で何故こそこそと登記簿など調べるのか、
こちらをそんなに信用できないのか!と目が点になるようなお答えが返ってきました。
この不動産会社は社長と奥様お2人でやってらっしゃる会社で、
とにかく社長がワンマン!!
機嫌の良いときは愛想がいいくらいなのですが、
虫の居所が悪かったりすると途端に怒り口調になったりと大変な気分屋だったのです。
いきなり怒られてハァ?なんで~といった気持ちのまま電話を切りました。
程なくしてから不動産会社の奥様より電話が入り、
先ほどの社長の非礼の詫びと、仮登記についての説明を受けひとまずは納得しました。
その後も本契約までの間に、
所属する自治会長のお宅へ我々だけが先に挨拶に行った事を
「自分のメンツを潰した」と訳のわからない理由で
社長よりグチグチ文句を言われたりもしました。
なんだかんだでいつもこちが謝ることになるのです~。
結局物件を売って欲しい、という気持ちが強く
自分達の立場を弱いものにしてしまってたんですね....
2003年3月末になんとか本契約を交わすことになりましたが、
土地と建物の権利書の受け渡しについてまたもや揉めることに...
こちらとしては契約の日にお金を振り込み、その日に権利書を受け取れると思ってましたが、
不動産会社社長からは契約の数日前までに代金を振り込むようにと言われ
さすがにちょっとこれには納得できませんでした。
代金を振り込んだ後、ドロンされたらそれでお仕舞いですからねぇ。
あからさまにそのようには言いませんでしたが、
多分電話で十分過ぎるくらいそのようなニュアンスが伝わったのでしょう、
またもや社長の逆鱗に触れてしまいました...
「そんなにオレの事が信用できないのかぁ!」と。そして、
「もうあの物件はお前達には売らない!」とまで言われてしまったのです。
本契約の2週間前の出来事でした。悩みました....
大鹿の古民家は喉から手が出るくらい欲しいけど、
でも、この不動産会社のワンマン社長を信じていいのかと。
先にお金を振り込んでしまっていいのか....
騙されるんじゃないかと....
結局こちらが折れました。
やっぱり大鹿村の古民家がどうしても欲しかったからです。
え~いままよっ!という思い、
祈るような思いを込めて指定の銀行口座へ送金手続きをとりました。
振り込んでから契約までの数日間は気が気じゃなかったですね~。
無論、騙されることなく
無事契約を済ませ、
2003年4月には大鹿村の古民家が晴れて我々の物となったのです!To Be Continued...